内定を辞退して、今の会社に残る。
ほぼそう決めかけているのに、「あとで後悔するんじゃないか」という気持ちがどうしても消えない。そんなモヤモヤを抱えたまま、この記事を開いた人も多いかなと思います。
職場の人間関係は悪くないし、仕事にも慣れている。上司に引き止められて、正直ちょっと揺れている人もいますよね。
先に、少し安心できる数字をひとつ紹介させてください。
マイナビ転職エージェントが2024年10月に行ったアンケートでは、転職を考えたものの転職しなかった人のうち、75%が「後悔していない」と答えています。
ただ、同じ調査では、転職しなかった人の半数が今も転職を検討していました。
ここから見えてくるのは、後悔を分けているのが「残ったかどうか」ではない、ということです。
分かれ目は、転職を考えたきっかけが、残ったあとに解決するかどうか。
この記事では、内定を承諾するか辞退するかで迷ったときの判断軸を、実際に多い悩みの順番で整理しました。決めきれないのは優柔不断だからではなく、それだけ真剣に考えている証拠です。ひとつずつ確認していきましょう!
✅ この記事で分かること
- 内定辞退して現職に残ると後悔する人・しない人の違い
- 内定ブルーと「本当に行くべきでないサイン」の見分け方
- 引き止め(カウンターオファー)を受けたときの判断基準
- 年収と残業・通勤を「実質時給」で比べる方法
- 内定承諾後に辞退したいときの考え方と連絡のしかた
- 辞退・残留を後悔したときに取れる選択肢
こんな人に向けて書いています
- 内定は出たけれど、承諾か辞退かを決めきれない人
- 上司から引き止められて、現職に残るか迷っている人
- 内定を辞退して残ったものの、これでよかったのか不安な人
- 💡 内定辞退して現職に残ると後悔する?分かれ目は「残る理由」
- 😟 内定が出たのに不安…それは内定ブルー?行くべきでないサイン?
- 🤝 人間関係がいい会社を手放すのが惜しいときは?
- 🔁 引き止め(カウンターオファー)で現職に残るか迷ったら
- 📊 現職と内定先は「5つの判断軸」で比べる
- 🎯 迷ったら「なぜ転職活動を始めたのか」に戻る
- ⚖️ 「安定か、やりがいか」の二択にしなくていい
- 🏠 結婚・出産・住宅購入が近いなら、制度と時期を先に確認する
- ✅ 現職に残るほうがいい人・転職を前向きに考えていい人
- 📩 内定辞退を迷うときに知っておきたいこと
- 🔄 内定辞退・現職残留を後悔したときの選択肢
- 🧭 どうしても決断できないときの3ステップ
- ❓ 内定辞退・現職残留で迷う人のよくある質問
- 🌱 まとめ|内定辞退で後悔しないために、「残る理由」を自分の言葉にする
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💡 内定辞退して現職に残ると後悔する?分かれ目は「残る理由」
内定を辞退して現職に残っても、後悔しない人のほうが多いです。後悔につながりやすいのは、転職を考えた原因がそのまま残っているのに、怖さや居心地の良さだけで残ったケースです。
冒頭で紹介した調査は、転職を考えたことがある20〜60代の社会人301名が対象です。このうち転職しなかった人は約2割なので、人数はそれほど多くありません。あくまで傾向として見てくださいね。
それでも、後悔している人のコメントには、はっきりした共通点がありました。
- 給料が上がらず、この先に期待が持てない
- 残ると決めた直後は平気だったのに、数年たってから「転職しておけば」と思うようになった
- 内定先に行っていれば、もっと経験やスキルが積めた気がする
どれも、転職を考えた根っこの問題が、残ったあとも解決していないという声なんですね。
逆にいえば、残ることで問題が解決するなら、内定辞退は立派な選択です。同じ調査でも、部署異動で悩みが消えた、苦手な上司が辞めた、といった理由で転職をやめた人がいました。
今の会社には、慣れた仕事や知っている人間関係、これまで築いてきた信用があります。一方の内定先は、分からないことだらけですよね。
何も整理せずに比べると、「知っている現職」と「よく分からない転職先」の比較になり、どうしても現職のほうが安全に見えてしまいます。
比べたいのは「残る安心」と「転職する不安」ではなく、「残った3年後」と「転職した3年後」です。
同じ「残る」でも、中身はまったく違います。
😶 何となく残った場合
- 転職を考えたきっかけが、そのまま残る
- 忙しい日ほど「あのとき行っていれば」がよぎる
- 次に迷ったとき、比べる材料がまた何もない
🧭 比べてから残った場合
- 現職を選んだ理由を、自分の言葉で説明できる
- 昇給や異動など「残る条件」と時期がはっきりしている
- 外の相場を知っているので、次の判断が早くなる
後悔しにくいのは、もちろん右側。ここからは、右側の「比べてから残る(または転職する)」状態に近づくために、次の順番で整理していきます。
- 内定後の不安が「内定ブルー」なのか、本当の違和感なのかを分ける
- 人間関係や引き止めなど、残りたくなる理由を点検する
- 現職と内定先を同じ物差しで比べる
- 辞退・承諾の手続きとタイミングを確認する
- それでも決めきれないときは、3ステップで決める
😟 内定が出たのに不安…それは内定ブルー?行くべきでないサイン?
👩
第一志望だったはずなのに、内定の連絡をもらっても全然うれしくないんです。これって、行かないほうがいいサインですか?
内定直後の不安は、多くが「環境が変わること」そのものへの怖さです。ただ、条件や仕事内容に具体的な引っかかりがあるなら、それは入社前に確かめておきたいサインです。
内定が出た途端に迷い始める人は、珍しくありません。
転職活動中は今の会社の不満ばかり見えていたのに、辞めることが現実になった瞬間、急に良いところが目に入ってくる。気持ちの動きとしては、かなり自然なことなんですね。
選考を通ることに集中しているうちに、いつの間にか「内定を取ること」自体がゴールになっていた、という人もいます。ゴールに着いたのに次の景色が見えないから、不安になるわけです。
見分けるときは、次の表を目安にしてみてください。
| 見るポイント | 内定ブルーに近い | 確かめたいサイン |
|---|---|---|
| 不安の中身 | なんとなく怖い、今の職場が惜しい | 残業の実態が面接の説明と違う、配属先が決まっていない |
| 言葉にすると | 何が不安か、一言で言えない | 気になる点を一文で書ける |
| 数日たつと | 少しずつ落ち着いてくる | 考えるほど引っかかる |
| 解決の方法 | 気持ちの整理で落ち着く | 企業に質問すれば答えが出る |
🔍 「1年後に失敗していたら」と考えてみる
おすすめなのが、「1年後、この転職が失敗していたとしたら、原因は何だと思う?」と自分に聞いてみる方法です。
答えが「新しい環境になじめなかったかも」くらいなら、まだ起きていないことへの不安に近いかもしれません。
反対に「求人票の残業時間が実は違った」「聞いていた仕事をさせてもらえなかった」のように具体的な答えが出るなら、それは今のうちに確認できることです。
確認の方法としては、こんなものがあります。
- オファー面談(条件の説明を受ける面談)で、残業・評価・配属を質問する
- 配属先の上司や同僚と話す機会をお願いする
- 可能なら職場見学をさせてもらう
- 口コミサイトは、良い面と悪い面の両方を参考程度に見る
「入社前にあれこれ聞くと、印象が悪くなりそう」と心配になる人もいますよね。でも、入ってから「聞いていなかった」となるほうが、お互いにとってずっとつらいもの。条件の確認は、遠慮しなくていいところだと思います。
それから、眠れない日が続いていたり、食欲が落ちていたりするなら、判断はいったん横に置いて大丈夫です。まずは休むこと、必要なら医師など専門家に相談することを優先してくださいね。
🤝 人間関係がいい会社を手放すのが惜しいときは?
職場の人間関係がいいのは、本当に大きな財産です。ただ「居心地がいいこと」と「その会社で望む将来に近づけること」は別の問題なので、分けて考えたいところです。
実は、私自身がまさにこのパターンでした。
最初の会社はサービス業で、人間関係にはすごく恵まれていたんです。退職してだいぶ経ちますが、今でも交流が続いている人がいるくらいです。
それでも、どれだけ真面目に働いても、給与が大きく伸びるイメージは持てませんでした。残業も月40時間ほどありました。
決定打になったのは、上司たちの姿です。役職が上がるほど責任は重くなるのに、給与は同年代と比べて高いとはいえず、繁忙期には会社に泊まり込む人もいました。
それを見ながら「数年後の自分は、こうなりたいのかな」と考えたんです。答えは「いいえ」でした。
今の会社が「悪くない」ことと、自分の将来が「良くなっている」ことは違う。
28歳で転職してからは、年収が以前の約2倍になり、残業は月40時間ほどから10時間ほどに減りました!
もちろん、失ったものもあります。仲の良い同僚と毎日顔を合わせる時間はなくなりましたし、入社してから「思っていた仕事内容と少し違う」と感じた部分もありました。
居心地のいい場所を自分から離れるのは、やっぱり怖かったです。でも、会社を離れたからといって関係がすべて切れるわけではありませんでした。本当に大切な関係は、会社を離れても続きます。
👥 「この人たちがいなくなっても残りたい?」と聞いてみる
もうひとつ知っておきたいのは、職場の人間関係は良くも悪くも固定ではない、ということです。
尊敬している上司が異動することもあれば、仲の良い同僚が先に転職することもあります。先ほどの調査で、苦手な上司の退職をきっかけに転職をやめた人がいたのと、ちょうど逆のパターンですね。
人間関係を理由に迷っているなら、こう聞いてみてください。
「今の上司や同僚が全員いなくなっても、この会社に残りたい?」
「それでも残りたい」と思えるなら、仕事内容や待遇にも納得できている可能性が高いです。反対に「人がいなくなるなら、残る理由がない」と感じるなら、あなたが手放したくないのは会社ではなく、今の居場所なのかもしれません。
「辞めたいほどではないから動けない」という人は、「仕事は嫌いじゃない。でも、このままでいいのか」と感じたときに読む記事もあわせて読んでみてください。
🔁 引き止め(カウンターオファー)で現職に残るか迷ったら
👨
辞めると伝えたら、昇給と希望部署への異動を約束されました。正直、かなり揺れています…。
引き止めの条件は、「辞めると言う前から頼んでいたことが、本当に変わるのか」で判断します。昇給や昇進の話だけで残ると、しばらくして同じ悩みに戻ることもあります。
引き止めで揺れるのは、当たり前のことです。一緒に働いてきた人から「残ってほしい」と言われて、何も感じない人のほうが少ないと思います。
中途採用の現場でも、現職からの昇給・昇進の提示や家族の反対は、内定辞退の典型的なきっかけとして知られています。あなただけが特別に迷っているわけではありません。
ただ、昇給の約束で残ったものの、1年ほどで結局退職した、という体験談もあります。条件が少し良くなっても、転職を考えた根っこの問題が残っていれば、同じ気持ちが戻ってきやすいからです。
✅ 残る選択を考えてもいい引き止め
- 給与だけでなく、転職を考えた原因(仕事内容・評価・働き方)まで話し合えた
- 「いつから」「何が」「どう変わるか」が具体的に決まっている
- 口約束ではなく、メールや書面で残してもらえる
- 辞めると言う前から改善の動きがあり、今回それが前倒しになった
⚠️ いったん立ち止まりたい引き止め
- 何度相談しても動かなかったのに、辞めると言った途端に条件が出てきた
- 「いずれ」「前向きに検討する」など、時期も中身もあいまい
- 「今辞めたら周りに迷惑がかかる」など、気持ちに訴える話が中心
- 昇給の話はあるのに、残業や仕事内容など本当の不満には触れていない
引き止めを受けたら、その場で返事をしないのが基本です。「一度持ち帰って考えます」で大丈夫。
残る方向で考えるなら、「3〜6か月で何が変わるのか」「いつ、誰と見直すのか」まですり合わせておくと、あとで「話が違う」となりにくいです。
会社によっては、一度辞めようとした人として見られ方が変わることもあります。条件だけでなく、残ったあとの居心地まで想像しておくと安心ですね。
退職の意思を伝える前の準備や、引継ぎ・入社日の調整など、退職交渉の具体的な進め方は転職で引き止められたらどうする?退職交渉の進め方とカウンターオファーの考え方で詳しくまとめています。転職を選ぶと決めたら、こちらもあわせて読んでみてください。
📊 現職と内定先は「5つの判断軸」で比べる
転職か現職に残るか決断できないときは、頭の中だけで考えず、次の5つを同じ物差しで並べて比べるのが近道です。
- 年収・待遇:基本給、賞与、残業代、福利厚生など
- 時間・働き方:残業、通勤、リモート、休日、柔軟性
- 仕事内容:やりたい仕事か、得意なことを活かせるか
- 将来性:3〜5年後に身につく経験や市場価値
- 生活との相性:家族、育児、住む場所、健康、プライベート
ポイントは、内定先だけを細かくチェックするのではなく、現職にも同じ質問をすることです。
| 比較項目 | 現職 | 内定先 | 自分にとっての重要度 |
|---|---|---|---|
| 年収・待遇 | ○ | ○ | 高・中・低 |
| 残業・通勤 | ○ | ○ | 高・中・低 |
| 仕事内容 | ○ | ○ | 高・中・低 |
| 成長・市場価値 | ○ | ○ | 高・中・低 |
| 人間関係・文化 | ○ | △(未知) | 高・中・低 |
| 3年後の選択肢 | ○ | ○ | 高・中・低 |
全部を満たす会社は、なかなかありませんよね。
だから、「どちらが完璧か」ではなく、自分が大切にしている項目で、どちらが優れているかを見ます。
💰 年収アップだけで決めない|「実質時給」で比べてみる
年収の差だけを見ると、100万円アップはかなり魅力的に見えます。でも、残業や通勤が増えるなら、1時間あたりの価値は変わってきます。
🧮 モデルケースで計算すると
- 現職:年収500万円/残業 月20時間/通勤 片道30分
- 内定先:年収600万円/残業 月45時間/通勤 片道1時間
労働時間と通勤時間を合わせた「拘束時間」で割ると、こうなります。
- 現職:年間2,400時間 → 1時間あたり約2,083円
- 内定先:年間2,940時間 → 1時間あたり約2,041円
※所定労働 月160時間・出勤 月20日として、税金や社会保険料を引く前の額面で計算しています。
年収は100万円上がるのに、時間あたりで見ると少し下がるんです。
しかも、1年で増える拘束時間は540時間。1日8時間で割ると、約68日分にもなります。
もちろん、時給だけで決める必要はありません。数年後の年収の伸びや、そこで身につく経験まで含めて考えれば、答えが変わることもあります。
ただ、「+100万円」という数字だけで決めると、入社してから「思ったより生活が楽にならない」と感じることはありえます。一度、自分の数字で計算してみてくださいね。
年収と働きやすさをどう両立するか迷っている人は、年収は上げたい。でも激務にはなりたくない。収入と働きやすさを両立する転職方法も参考になると思います。
📉 年収が下がっても転職していいのはどんなとき?
年収が下がる転職でも、「数年で取り戻せる見込み」か「時間や働き方の大きな改善」のどちらかがはっきりしているなら、十分に選択肢になります。
マイナビが2026年9月に公表した「転職活動実態調査(2026年)」では、直近1年に転職活動をした正社員1,500名のうち、約7割が「年収が下がる転職は受け入れられない」と答えています。年収ダウンに抵抗があるのは、ごく普通の感覚です。
一方で、希望年収に届かなくても転職を考える条件として一番多かったのは「将来的な収入増加が見込める(47.6%)」、次が「労働時間・働き方が改善する(44.5%)」でした。
下がる金額そのものより、「その先に何があるか」で決めている人が多いということですね。
年収が下がる内定で迷っているなら、次の3つは確認しておきたいです。
- 下がった分を、何年くらいで取り戻せそうか(昇給の仕組みや、その職種の相場)
- 下がった年収で、生活費や貯金のペースを保てるか
- 年収以外で増えるもの(時間、経験、働き方)が、自分にとって本当に大事か
🎯 迷ったら「なぜ転職活動を始めたのか」に戻る
迷いが強くなったら、まず「なぜ転職活動を始めたのか」に立ち返るのがおすすめです。
内定ブルーや引き止めで気持ちが揺れているときほど、スタート地点に戻ると考えがまとまりやすくなります。
転職活動を始めた理由を、一文で書いてみてください。
- 年収を上げたかった
- 残業を減らしたかった
- やりたい仕事に挑戦したかった
- 将来につながる経験を積みたかった
- 会社の将来性に不安があった
- 今の評価制度では収入が伸びにくいと感じた
そして、その問題を内定先が本当に解決してくれるのかを確認します。引き止めで新しい条件が出ている場合は、その条件で問題が解決するのかも、同じように見てみましょう。
内定をもらえたことと、その会社に転職すべきことは別です。
転職活動の目的を解決できないなら、せっかくの内定でも辞退する判断はありです。
💭 迷ったら、この質問をしてみる
「もし現職の年収が明日、内定先と同じになったら、それでも転職したい?」
それでも転職したいなら、あなたが変えたいのは給与だけではない可能性があります。
反対に「同じ年収なら現職に残りたい」と思うなら、転職の中心テーマはかなり給与に近いのかもしれません。その場合は、現職での昇給交渉という選択肢もあります。
⚖️ 「安定か、やりがいか」の二択にしなくていい
「安定か、やりがいか」で迷ったら、希望条件を3段階に分けてみてください。二択で考えるより、自分が本当に守りたいものが見えやすくなります。
転職で迷っていると、「安定を取るか、やりがいを取るか」「年収か、働きやすさか」のような二択で考えがちです。でも、ここまで単純に分けなくて大丈夫です!
- 絶対に譲れない
- できれば欲しい
- なくても受け入れられる
気をつけたいのは、「絶対に譲れない」に入れる条件を欲張らないことです。ここが5個も6個もあると、どちらの会社も選べなくなってしまいます。
今後のキャリアを最優先したい時期なら仕事内容や成長機会が上に来るでしょうし、家族との時間を守りたい時期なら働き方が上に来るかもしれません。正解は年齢だけでは決まりません。
今の自分が、何を失うと一番困るのか。
そこから優先順位を決めるほうが、かなり現実的です。
🏠 結婚・出産・住宅購入が近いなら、制度と時期を先に確認する
ライフイベントが近い時期は、「どちらの会社が好きか」より先に、制度とタイミングがどう影響するかを確認しておきたいです。
転職そのものは悪くなくても、順番しだいで困ることがあります。代表的なのは次のようなケースです。
- 出産・育休を考えている:育児・介護休業法では、労使協定があれば入社1年未満の人を育休の対象外にできます。内定先にその協定があるかは、入社前に確認しておきたいポイントです。
- 住宅購入を予定している:金融機関によっては、住宅ローンの審査で勤続年数を見ることがあります。購入を転職の前にするか後にするかは、事前に金融機関へ相談しておくと安心です。
- 子育て中で働き方を変えたくない:在宅勤務の頻度、フレックス、急な休みへの理解は、求人票だけでは分かりにくい部分です。面談で具体的に聞いておきたいですね。
40代で住宅ローンや教育費をかかえているなら、年収の下振れをどこまで受け止められるかは、特に慎重に見ておきたいところです。守るものが増える年代だからこそ、「挑戦したい気持ち」と「今の生活を崩さないこと」のバランスは、20代のときより現実的に考えたいもの。
40代の転職で求人がどのくらいあるのか、どんな人が評価されやすいのかは、40代からのハイクラス転職の現実|求人はある?成功する人の共通点で詳しくまとめています。
👪 家族に反対されているときは
家族の反対で迷っている人も少なくありません。家族が心配しているのは、たいてい収入・勤務地・休みのどれかかなと思います。
「なんとなく不安」のまま話し合うと、平行線になりがちですよね。年収(手取りの見込み)、通勤時間、休日数、残業の見込みを紙に書いて、現職と並べて見せてみてください。
最終的に決めるのはあなたですが、一緒に暮らす人が不安に思う点は、そのまま条件確認のチェックリストにもなります。家族を「説得する相手」ではなく「見落としを教えてくれる人」と考えると、話し合いが少し楽になるはずです。
📌 ここまでのミニまとめ
- 残って後悔するのは、転職を考えた原因が残ったまま残ったとき
- 内定後の不安は、「一文で書けるかどうか」で見分ける
- 引き止めは、辞めると言う前から改善が動いていたかを見る
- 年収は、残業や通勤の時間とセットで比べる
転職活動をしたからといって、転職しなければいけないわけではありません。外の相場を見たうえで「今の会社のほうがいい」と判断して残るのは、十分に合理的な選択です。
✅ 現職に残るほうがいい人・転職を前向きに考えていい人
比べた結果、現職に残るほうが合っている人も普通にいます。逆に、残りたい理由が「変化が怖い」だけになっているなら、転職を前向きに考えてもよさそうです。
🏢 現職に残るほうがいいケース
- 内定先でも、転職活動を始めた原因が解消されない
- 仕事内容や労働条件に確認できていない部分が多い
- 現職で希望する異動・昇進などが具体的に決まっている
- 転職による年収ダウンや生活変化を今は受け入れにくい
- 内定先そのものに魅力を感じるより、「今の会社から逃げたい」が強い
🚪 転職を前向きに考えていいケース
- 転職理由が会社や業界の構造に関係していて、現職では変えにくい
- 何年働いても給与やポジションが大きく変わるイメージを持てない
- 希望する仕事内容を現職では経験できない
- 内定先が、自分の最優先条件を明確に改善している
- 現職に残りたい理由が「変化が怖い」だけになっている
もちろん、新しい会社へ行けばすべて良くなる保証はありません。ただ、「転職にはリスクがあるから現職」という判断だけでは、残る側のリスクが抜け落ちてしまいます。
厚生労働省の「令和7年版 労働経済の分析」では、新卒から同じ会社で働き続ける人の賃金カーブが、1993年以降、長い目で見てなだらかになってきていると分析されています。こうした「生え抜き社員」の割合も、2008年の約40%から2023年には約37%に下がりました。
同じ会社に長くいれば給料が自然に上がっていく、という前提は、昔よりも弱くなっているように見えます。
🗓️ 残るなら「何となく」ではなく「期限つき」で残る
現職に残ると決めたなら、次の3つをセットにしておくと、数年後の後悔をかなり減らせるはずです。
- 半年後や1年後など、仕事内容や評価をもう一度見直す時期を決めておく
- 引き止めで約束された内容は、時期と中身をメモやメールで残しておく
- 年に1回くらいは求人やスカウトを見て、外の相場を確認しておく
「残る」と「何もしない」は別物です。そもそも今の会社以外で自分がどう評価されるのか分からない人は、自分の市場価値を知らないまま、安く働き続けていませんかで、比較材料の集め方を確認してみてください。
📩 内定辞退を迷うときに知っておきたいこと
比較した結果「この会社には入社しない」と決めたなら、内定辞退そのものを必要以上に悪いことだと考える必要はありません。
ただし、内定の状態によっては、すでに労働契約が成立していると判断される場合があります。
厚生労働省(労働局)の資料でも、採用内定によって労働契約が成立していると判断される場合があるとされています。成立するかどうかは、採用通知の内容や誓約書の提出など、具体的な事情によって変わります。
一方で、期間の定めのない雇用契約について、民法では解約を申し入れてから2週間で契約が終わると定められています。そのため、内定承諾後の辞退も、法律上は申し入れができると整理されるのが一般的です。
とはいえ、承諾後の辞退は企業の採用計画に大きく影響します。「ネット通販をキャンセルする」くらいの感覚では考えないほうがいいですね。
| 今の状況 | 考え方 | やること |
|---|---|---|
| 内定を承諾する前 | 辞退しても大きな問題にはなりにくい | 回答期限までに、できるだけ早く連絡する |
| 内定を承諾したあと | 労働契約が成立している場合もあるが、辞退の申し入れはできると整理されるのが一般的 | 決めたらすぐ電話で伝え、メールでも残す |
| 現職に退職の意思を伝えたあと | 撤回できるかは、会社の同意しだいになることが多い | 残りたいなら、すぐに上司へ相談する |
現職の就業規則に、退職の申し出時期が決められていることもあります。辞退・退職のどちらの手続きも、自分の状況にあわせて確認しておくと安心です。
📌 内定辞退を決める前の最終チェック
- 労働条件通知書などで条件を確認したか
- 転職理由は内定先で解決できそうか
- 分からない条件を企業へ確認したか
- 現職に残る理由が「安心」だけになっていないか
- 転職する理由が「逃げたい」だけになっていないか
- 半年後に同じ状況になったとき、どちらを後悔しそうか
ここまで確認して「やっぱり違う」と思うなら、その違和感は無視しなくていいと思います。
⏳ 決めきれないなら、回答期限の延長を相談する
期限が迫っていて決められないなら、回答期限の延長をお願いするのもひとつの方法です。お願いすること自体は、失礼なことではありません。
伝えるときは、「家族と相談したい」「現職との話し合いが終わっていない」といった理由と、「○日までにお返事します」という期日をセットにします。延ばせるかどうか、どのくらい延ばせるかは企業しだいなので、無理を言いすぎないようにしたいですね。
転職エージェント経由の選考なら、まずは担当者に相談してみるとスムーズです。
☎️ 辞退するときは短く、早く、丁寧に
辞退理由を延々と説明する必要はありません。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。大変恐縮ですが、慎重に検討した結果、今回の内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。選考にお時間をいただいたにもかかわらず、このような結果となり申し訳ございません。
企業や状況によって連絡方法は変わりますが、大切なのは、決めたあとに先延ばしにしないことです。
🔄 内定辞退・現職残留を後悔したときの選択肢
内定を辞退したあとで後悔しても、道が完全に閉じるわけではありません。辞退の撤回を相談する、似た条件の求人をもう一度探す、残った会社で条件を変えていくなど、打てる手はあります。
📞 辞退の撤回を相談してみる
辞退したばかりで、企業がまだ採用枠を埋めていなければ、撤回を相談できる可能性はあります。ただし、受け入れるかどうかは完全に企業しだいです。
相談するなら、時間をおかずに、辞退した理由と考えが変わった理由を正直に伝えること。断られても、それは企業として自然な判断だと受け止めたいところです。
✨ 内定が出た事実は、次の転職の材料になる
撤回が難しくても、落ち込みすぎなくて大丈夫です。一度内定が出たということは、少なくとも1社があなたの経験を評価したということですから!
同じような経歴を求める会社は、ほかにもあるかもしれません。今回の迷いで分かった「自分が本当に譲れない条件」は、次の転職活動でそのまま軸になります。
🔙 転職したあとで後悔したときは
反対に、転職してから「前の会社のほうがよかった」と感じることもあります。マイナビが2024年7月に行った調査では、転職経験者の32.9%が「過去に辞めた会社に戻りたいと思ったことがある」と答えていました。約3人に1人です。
最近は、辞めた社員をもう一度迎え入れる「出戻り採用」を取り入れる企業もあります。残っても、転職しても、やり直しの道はひとつではありません。
🧭 どうしても決断できないときの3ステップ
ここまで考えても転職の決断ができないなら、最後は次の順番で整理してみてください。
STEP 1|絶対に譲れない条件を3つだけ決める
希望条件を10個並べると、どちらにも良いところがあって余計に迷います。
まずは「これだけは譲れない」を3つに絞ります。年収、残業、仕事内容、勤務地、リモート、家族との時間など、人によって違って大丈夫です!
STEP 2|現職と内定先を点数にする
それぞれの項目を5点満点で採点してみます。さらに「自分にとっての重要度」を1〜3で掛けると、何を重視しているかが見えやすくなります。
もちろん、点数が高い会社へ自動的に行けばいいわけではありません。
点数の目的は、頭の中にあるモヤモヤを見える形にすることです。
STEP 3|「どちらの後悔なら受け入れられるか」を考える
最後は少し変わった考え方ですが、「どちらなら後悔しないか」ではなく、「どちらの後悔なら自分は受け入れられるか」を考えます。
転職して「思っていた会社と違った」と後悔する可能性。現職に残って「やっぱりあのとき挑戦しておけばよかった」と後悔する可能性。
未来は分からないので、どちらの可能性もゼロにはできません。でも、自分が受け入れられるリスクと、受け入れられないリスクは分けられます。
❓ 内定辞退・現職残留で迷う人のよくある質問
内定を辞退して現職に残ったら、後悔しますか?
後悔しない人のほうが多いです。マイナビ転職エージェントの2024年の調査では、転職を考えたものの転職しなかった人の75%が「後悔していない」と答えています。後悔しやすいのは、転職を考えた原因が解決しないまま残った場合です。残るなら、見直しの時期を決めておくと安心です。
引き止めで昇給を提示されたら、残ったほうがいいですか?
昇給額だけで決めないほうがいいかなと思います。見たいのは、辞めると言う前から相談していたことが、本当に変わるのかどうか。時期と内容が具体的で、メールや書面で残してもらえるなら、残る選択も十分ありです。
内定を承諾したあとでも辞退できますか?
一般的には、承諾後でも辞退の申し入れはできると整理されています。ただ、承諾後は労働契約が成立していると判断される場合もあり、企業への影響も大きくなります。決めたらすぐに、電話で誠実に伝えるようにしたいですね。
内定をもらったのに辞退するのはもったいないですか?
内定を取るまでに時間を使っているので、「ここまで来たのだから」と思ってしまいますよね。ただ、選考にかけた時間と、その会社でこれから何年も働くことは別です。比較した結果、転職理由を解決できない会社なら、内定が出たことだけを理由に入社する必要はありません。
40代だと、転職か現職かの決断はより慎重にすべきですか?
40代は住宅ローンや教育費など守るものが増えるぶん、年収の下振れや生活の変化の影響が大きくなりやすいです。ただ、それは「条件を慎重に確認する」理由であって、「年齢だから動かない」理由とは限りません。求人があるか、これまでの経験を他社でどう活かせるかは、実際に確認してみないと分からない部分も多いです。
🌱 まとめ|内定辞退で後悔しないために、「残る理由」を自分の言葉にする
内定を辞退して現職に残るか、転職するか。迷うのは、どちらにもメリットと不安があるからですよね。
残れば安心感はある。でも、今抱えている問題がそのまま続くかもしれません。転職すれば環境を変えられる可能性がある。でも、新しい会社が想像どおりとは限りません。
だからこそ、正解探しをするより、次の順番で考えてみてください。
- 内定後の不安を、具体的な引っかかりと気持ちの揺れに分ける
- 転職活動を始めた理由を思い出す
- 引き止めの条件も含めて、現職と内定先を同じ基準で比べる
- 残るリスクと転職するリスクを両方見る
- どちらの後悔なら受け入れられるか考える
後悔を分けるのは、残ったかどうかではありません。残る理由を、自分の言葉で説明できるかどうかです。
「怖いから何となく残った」ではなく、「比べた結果、今は残る」と決められたなら、その選択はきっと大丈夫です!
逆に、残る理由が「慣れているから」「辞めるのが怖いから」だけなら、外の会社で自分がどのくらい評価されるのかを確かめてから決めても、遅くはありません。
📌 次に取る行動
今日やることは、承諾か辞退かを決めることではありません。
まずは「現職の条件」と「転職市場で自分が得られる条件」を、並べて見られる状態にしてみてください。

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