「転職、してみたい気もする。でも、まだ早いかな」 そう思っているうちに、気づけば数年たっていた。そんな人、けっこう多いんですよね。
20代後半から30代前半って、ちょうど迷いやすい時期だと思います。 仕事にも慣れて、それなりに任される。でも、この先ずっとここでいいのかは分からない。
「若いうちに動いたほうがいい」と言われると、まだ早い気もする。 かといって「30を過ぎると厳しくなる」と聞くと、もう遅いのかもと焦る。
……どっちなんだ、という話ですよね。
先に結論だけお伝えしますね。 20代後半〜30代前半は、「早すぎ」でも「遅すぎ」でもなく、転職市場でいちばん動きやすい時期です。これは気持ちの問題ではなくて、国の調査の数字にもはっきり出ています。
この記事では、その数字を見ながら「今の自分は動くべきなのか」を落ち着いて判断できるように整理していきます。焦って辞める話ではありません。まずは自分の立ち位置を知るところから、で大丈夫ですよ。
この記事で分かること
- 20代後半〜30代前半が、転職市場でどう見られているか(数字ベース)
- 「もう遅い」が思い込みになりやすい理由
- 年齢で損をしないための、行動の順番
- 転職を決める前に、まず試せる小さな一歩
「まだ早い」も「もう遅い」も、正しく見えてしまう理由
まず、あなたの感覚は間違っていません。 「まだ早い」も「もう遅い」も、どっちも一理あるように見えるんですよね。だから迷う。
「まだ早い」と感じる背景には、たぶんこういう気持ちがあります。
- 今の会社が、そこまで嫌いなわけじゃない
- 辞めるほどの決定的な不満はない
- 動いて失敗したら、と思うと怖い
一方で「もう遅い」と感じるのは、こんな声を聞くからだと思います。
- 「35歳の壁」という言葉
- 未経験だと年齢で不利、という話
- まわりが着々とキャリアを積んでいるように見える焦り
どちらも、ふわっとした不安なんですよね。 はっきりした事実というより、「なんとなくそう聞く」レベルの話。
やっかいなのは、この「なんとなく」のまま止まっていると、いちばんもったいない時期が静かに過ぎていくことなんです。
よくある「止まったまま」のパターン
たとえば、こんな流れ、心当たりありませんか。
28歳。仕事は回せるようになった。でも給料は新人の頃とそんなに変わらない。「まあ、そのうち上がるだろう」と思って、そのまま2年。
30歳。役割は増えたのに、年収はほぼ横ばい。「今さら動くのもな」と思って、また1年。
……気づくと、動くのがどんどん怖くなっている。
これ、能力の問題でも、やる気の問題でもないんです。ただ、動く順番と情報が足りていないだけ。そういうケースが、すごく多いんですよね。
数字で見ると、20代後半〜30代前半はどんな時期?
ここが今日いちばん見てほしいところです。 気持ちの話ではなくて、実際のデータで確認しますね。
厚生労働省が毎年おこなっている「雇用動向調査」という調査があります。2024年分(2025年8月公表)の結果を見ると、年齢によって転職の動きにはっきり差が出ていました。
「転職入職率」、つまり その年に前職ありで新しく入社した人の割合 を年齢別に見ると、こんな感じです。
- 25〜29歳:男性 15.1%/女性 16.8%
- 30〜34歳:男性 10.3%/女性 13.2%
- 35〜39歳:男性 7.9%/女性 10.5%
全体の平均は9.7%なので、20代後半〜30代前半は、平均よりかなり動きが活発な時期なんですね。
ポイントは2つです。 ひとつは、25〜29歳あたりがピークで、いちばん人が動いていること。 もうひとつは、30代前半でもまだ十分高くて、「もう遅い」どころではないこと。
急に崖のようにガクンと落ちるわけじゃないんです。ゆるやかに下がっていくので、「30になった瞬間アウト」みたいなことは起きていません。
お金の面でも、若いほうが有利に出やすい
もうひとつ、大事なデータがあります。 転職した人のお給料が、前の職場と比べて増えたか減ったか、という数字です。
同じ調査(2024年)だと、転職した人のうち収入が「増えた」人の割合は、
- 20〜24歳:50.5%
- 25〜29歳:46.3%
- 30〜34歳:46.1%
このあたりの年代は、だいたい半分近くの人が「前より収入アップ」なんですね。 しかも「増えた人」から「減った人」を引くと、20代後半〜30代前半はしっかりプラス(+17〜22ポイントほど)。増えた人のほうが、減った人よりずっと多い、ということです。
参考までに、この差は50代後半になると逆転して、「減った人」のほうが多くなります。 つまり、収入を上げる方向に動きやすいのは、やっぱり若い時期のほうだというのが、数字にも出ているわけですね。
もちろん、これは「転職すれば必ず上がる」という話ではありません。減る人も一定数います。 ただ、「20代後半〜30代前半は、条件が良い方向に転びやすい時期」だとは言えそうです。ここは知っておいて損はないですよ。
ちなみに2024年は、転職した人全体で見ても「収入が増えた」割合が40.5%と、ここ10年でいちばん高い水準でした。全体の空気としては、悪くないタイミングに見えます。
「もう遅い」は、思い込みのことが多い
ここで、あなたの中にある反論に先回りしますね。
「でも、そういうのって一部の優秀な人の話でしょ?」 そう思う気持ち、すごく分かります。
でも、さっきの数字は特別な人だけを集めたものじゃないんです。ごく普通に転職した人ぜんぶを含めた、平均の数字なんですね。だから「自分には関係ない」と切り捨てるのは、ちょっともったいない。
「35歳の壁」という言葉もよく聞きますよね。 確かに、35歳を過ぎると求人の幅がだんだん変わってくるのは事実です。でもそれは「20代後半〜30代前半が遅い」という意味ではなくて、むしろ その手前の今こそ、選択肢がいちばん広い時期 だということでもあります。
言い換えると、「もう遅い」と焦っている人ほど、まだ全然遅くない位置にいることが多いんです。逆説的ですけど、ここは大事なところですね。
年齢で損しないために、順番を間違えないこと
ここまでで、「思ったより悪いタイミングじゃないかも」と感じてもらえたら嬉しいです。 そのうえで、よくある失敗の話をひとつ。
いちばんもったいないのは、いきなり「辞めるか、辞めないか」で悩むこと なんですよね。
これ、順番が逆なんです。 辞める・辞めないは、いちばん最後に決めればいい話。その前にやることがあります。
やりがちな、間違った順番はこちら。
- 悩む
- 疲れる
- 勢いで辞める
- 焦って探す
これだと、条件を冷静に選べないまま決めてしまいがちです。
おすすめしたいのは、こちらの順番。
- 自分の市場価値を知る
- 求人やスカウトを見る
- 比べる
- それから決める
最初のステップは「辞めること」じゃなくて「知ること」。 ここを分けて考えるだけで、だいぶ気持ちがラクになりますよ。
転職活動を始めることと、会社を辞めることは、まったく別ものです。調べるだけなら、今の仕事を続けたままでできますからね。
転職を決める前に、まずやってみてほしいこと
じゃあ、具体的に何から始めればいいのか。 おすすめは、スカウト型のサービスに登録して、自分に来るスカウトを眺めてみることです。
スカウト型というのは、自分から一社ずつ応募するのではなくて、職務経歴を登録しておくと、興味を持った企業やエージェントから声がかかる仕組みのサービスですね。ビズリーチやリクルートダイレクトスカウトなどが、このタイプにあたります。
なぜこれをすすめるかというと、20代後半〜30代前半の「まだ動くと決めたわけじゃない」段階に、すごく合っているからなんです。
向いている人
- 今すぐ辞める気はないけど、自分の価値は知っておきたい人
- 忙しくて、じっくり求人を探す時間がない人
- どんな会社が自分に興味を持つのか、まず見てみたい人
何を確認するために使うのか
- 自分の経歴に、どんな企業から・どのくらいの年収でスカウトが来るか
- 今の会社での評価と、社外での評価がどれくらい違うか
登録して届くスカウトを見れば、「自分は他社でこのくらいに見られているんだ」という相場観が、なんとなくつかめます。ここが、いちばんの収穫なんですよね。
メリット
- 登録するだけで、市場価値のヒントが受け取れる
- 応募しなくても、情報だけ集められる
- 登録=転職ではないので、気軽に始められる
注意点・向いていない人
- スカウトが必ずたくさん来るとは限りません(経歴や職種によります)
- 条件が良さそうに見えても、実際の働き方や残業まではスカウトだけでは分かりません。気になる会社は、面談でしっかり確認したいですね
- すでに行きたい会社が決まっている人は、スカウトを待つより、自分で応募したりエージェントに相談したりするほうが早いかもしれません
大事なのは、登録して終わりにしないこと。 届いたスカウトを見て、「この年収、今より高いな」「この職種でも声がかかるんだ」と、自分の立ち位置を確認するところまでやってみてくださいね。そこまでやって、初めて意味が出てきます。
まとめ
最後に、今日の話を短くまとめますね。
- 20代後半〜30代前半は、「早すぎ」でも「遅すぎ」でもなく、転職市場でいちばん動きやすい時期
- 数字で見ても、この年代は動く人が多く、収入も上がりやすい方向に出やすい
- 「もう遅い」は思い込みのことが多い。焦っている人ほど、まだ間に合う位置にいる
- いきなり辞めるか悩むより、まず自分の市場価値を知るのが正しい順番
- 調べるだけなら、今の会社を続けたままできる
転職するかどうかは、求人やスカウトを見てから決めても遅くありません。 今の会社だけで自分を判断してしまうのは、少しもったいないんですよね。
次に取る行動
今日やることは、ひとつだけで大丈夫です。
スカウト型サービスに、職務経歴をざっくり登録してみる。
完璧に書き込まなくても、まずは登録して、どんなスカウトが来るか眺めてみるところから。 それだけで、「自分は今、どのくらいに見られているのか」が、少し見えてきますよ。
辞める決断は、そのあとでゆっくり考えればいいですからね。



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