「このまま真面目に働いていれば、いつか給料は上がる」
そう思って、毎日きちんと出社して、目の前の仕事をこなしている。多くの人がそうですよね。
でも、その”いつか”って、具体的にいつなんでしょう。
年収は上げたい。将来のために貯金や投資にも回したい。それなのに、給与明細を見ても去年とほとんど変わっていない——。もし今、そんなモヤモヤを抱えているなら、あなたの頑張りが足りないわけではありません。ただ、待つ場所を少し間違えているだけかもしれません。
正直にお伝えすると、年収をいちばん速く動かせる近道は、社内の昇給を待つことではなく「外の相場を確認すること」だったりします。
この記事では、なぜ昇給を待つと遅いのか、転職だと何が変わるのか、そして”辞めずに”年収を動かす第一歩まで、公的データと私自身の体験を交えながら順番にお話ししますね。読み終わるころには、次にやることが1つに絞れているはずです。
📌 この記事で分かること
- 社内の昇給が「思ったより上がらない」仕組みと、その本当の理由
- 転職で年収が動く人のリアルな割合(厚労省の公的データ)
- 年代が上がるほど「待ちのコスト」が重くなる話
- 転職で年収を落とさない人が、事前にやっていること
- 辞めずにできる、いちばんハードルの低い最初の一歩
⏳ 昇給を待つと、なぜ遅いのか
結論から言うと、昇給は「悪い」のではなく「遅い」んです。まずは、そのスピード感を数字で見てみますね。
2025年の春闘は、実はかなりの当たり年でした。連合の最終集計だと、定期昇給を含めた賃上げ率は平均5.25%。金額にして月1万6,356円で、1991年以来、およそ34年ぶりの高水準だったんです。
🙋♀️
5%も上がるなら、十分じゃない?
そう思いますよね。でも、ここに小さな落とし穴があります。
この5.25%のうち、純粋な”底上げ”にあたるベースアップ分は約3.7%。残りは定期昇給、つまり年齢や勤続で自動的に上がっていく分です。しかも、これは34年ぶりと言われるほどの好条件の年の話でした。
経団連の集計をさかのぼると、2013〜2022年ごろの賃上げ率は、大手でも2%前後、中小企業は1%台が長く続いていました。近年こそ物価高で上がっていますが、これがずっと続く保証はどこにもありません。
つまり、平時のペースで考えると、真面目に勤め上げても年に2〜3%ずつ、じわじわ上がっていくのが現実です。年収400万円の人なら、1年で8〜12万円くらいの上がり幅ですね。
これを何年も積み重ねて、ようやく数十万円。着実ではありますが、「速い」とは言いにくいのが正直なところです。
🧩 そもそも、なぜ給料は上がりにくいのか
年収が伸びないのは、あなたの努力不足ではなく、給料が決まる”仕組み”の側に理由があることが多いです。
日本の給与は、長いあいだ「社内のバランス」で決まってきました。同期や先輩とのつり合い、勤続年数、会社の給与テーブル。個人の成果を反映する部分もありますが、一人だけ大きく飛び抜けさせる仕組みには、なりにくいんですね。
そこに、業界ごとの利益率の差が重なります。同じくらい忙しく働いていても、業界の稼ぐ力が違えば、支払える給料の上限も変わってきます。頑張りの量ではなく、「どの土俵に立っているか」で天井が決まってしまう、というわけです。
逆に言えば、これはチャンスでもあります。今の会社で評価が頭打ちでも、それはあなたの価値がそこまで、という意味ではありません。土俵を変えれば、同じ経験にもっと高い値段がつくことは、じゅうぶんにあり得るんです。
📈 転職だと、何が変わるのか
では、外の土俵に立つとどうなるか。ここで、いちばん見てほしい公的データを出しますね。
厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査」によると、転職した人のうち、前の職場より年収が「増えた」人は40.5%。「減った」人が29.4%、「変わらない」人が28.4%でした。
📊 注目したいのは、その”中身”
「増えた」40.5%の内訳は、「1割以上の増加」が29.4%、「1割未満の増加」が11.2%。つまり、年収が上がった人のうちおよそ7割は「1割以上」のアップです。年収400万円の人なら、一度の転職で40万円以上増えた計算になります。
(出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」)
社内で1割上げるのに何年もかかる一方で、動いた人は一度で1割を動かしている。ここが「近道」と呼ばれるいちばんの理由です。
しかも、この「増えた」割合は前の年から3.3ポイント上がっています。人手不足を背景に、中途採用の給料水準がじわじわ底上げされているんですね。追い風は、今のところ吹いている側です。
📝 私自身の話
私も昔は「真面目に働いていれば、いつか給料も上がる」と思っていました。当時いた会社の人間関係は良くて、職場そのものに不満はほとんどなかったんです。ただ、上司たちの給与を見ても、正直、この先大きく増えていく未来は描けませんでした。
結局、28歳のときに未経験の分野へ思いきって転職して、年収は約2倍になりました。社内で同じ幅を昇給だけで埋めようとしたら、いったい何年かかっていたか分かりません。会社が嫌だったわけではなく、”待つ”のをやめて外の相場を見にいったこと。それが、私にとってはいちばんの近道でした。
🕰️ 年代が上がるほど、”待ち”のコストは重くなる
同じ「昇給を待つ」でも、年代によって意味合いは変わってきます。ここは、自分の年齢に近いところだけ読んでもらえれば大丈夫です。
- 20代:伸びしろが大きく、未経験の分野にも挑戦しやすい時期。早めに一度、外の評価に触れておくと、そのあとのキャリアの軸を決めやすくなります
- 30代:年収が頭打ちに感じ始めやすい時期です。マネジメントか専門職か、道が分かれるタイミングでもあるので、相場を知っておくと選択の精度が上がります
- 40代以降:経験と実績が武器になる一方で、動くなら準備の丁寧さが効いてきます。年齢そのものより、「その経験を他社でどう再現できるか」を言葉にできるかがカギになります
どの年代にも共通しているのは、「相場を知る」こと自体には、年齢のハンデがないということです。求人を見て、スカウトを受け取るだけなら、いくつからでも始められます。
⚖️ 「でも、転職って必ず上がるわけじゃないよね?」
はい、その通りです。ここは正直にお伝えしますね。
さっきのデータをもう一度見ると、上がった人は約4割。裏を返せば、横ばいや、下がった人もいます。「転職すれば年収アップ!」と、単純に言い切るつもりはありません。
ただ、ここで知っておいてほしいのは、上がるか下がるかは”運”ではない、ということです。下がってしまうケースの多くには、共通する理由があります。そして、その理由の大半は、動く前の確認で避けられるものなんです。
だからこそ——
上がるかどうかは、”求人を見る前”に確かめられます。
自分がいくらでスカウトされるのか、どんな会社が興味を持ってくれるのか。それを確認してからでも、辞めるかどうかの判断は遅くありません。むしろ、確認してから動く人ほど、下振れを避けやすいんですね。
🔍 転職で年収を”落とさない”人の共通点
結論を先に言うと、年収をきちんと上げていく人は、辞める前に「比べる材料」をそろえています。
逆に、下がりやすいのは、今の職場がしんどくて「とにかく早く抜け出したい」と、相場を確認しないまま飛び出してしまうパターンです。焦りが判断を急がせてしまうんですね。
では、年収を落とさない人は具体的に何をしているのか。難しいことではありません。
- ✅ 今の年収と、外から届くスカウトの年収レンジを”見比べて”から動いている
- ✅ 額面だけでなく、残業・リモート可否・賞与・退職金まで含めて比べている
- ✅ 自分の経験を「他社でどう活きるか」の言葉に翻訳できている
- ✅ 年収交渉が苦手なら、交渉を代わりに進めてくれる人を味方につけている
やっていることの中心は、たった一つ。「辞める前に、外の相場を知っておく」。これだけで、下がるリスクの多くは先回りして避けられます。自分の市場価値をどう確かめるかは、こちらの記事でもう少し詳しく書いていますね。
💴 なぜ、外に出ると”値段”が変わるのか
そもそも、なぜ社内と社外でこんなに年収が違うのでしょう。理由はシンプルで、値付けの基準が違うからです。
社内の給料は、社内のバランスで決まります。一方の転職市場では、「今この経験に、いくら払うか」という外の相場で値段がつきます。同じあなたなのに、モノサシがまったく別なんですね。
だから、あなたの経験が社内では”普通”でも、人手が足りない業界から見れば”喉から手が出るほど欲しい”ということが、わりと普通に起きます。本来なら評価される経験なのに、今の会社の制度では十分に反映されていない。そういう人ほど、外の相場を知った瞬間に「え、そんなに?」となりやすいんです。
そしてここが、貯金や投資とも地続きになる部分です。節約や運用でお金を増やそうとしても、元手になる本業の年収が低いままだと、伸びしろはどうしても限られます。運用の利回りを1%上げるより、本業の年収を1割上げるほうが、手元に残るお金へのインパクトは大きいことも多いんですね。このあたりは本業の年収を見直す話とも深くつながっています。
🔀 「昇給を待つ」と「相場を確認する」の違い
ここまでを、いちど整理しますね。ポイントは、この2つが”どちらか片方を選ぶもの”ではない、という点です。
昇給を待つ
年2〜3%ずつ、時間をかけて積み上げる。確実性はあるけれど、ペースはゆっくり。
相場を確認する
一度で1割動く可能性がある。しかも、辞めなくても確認だけならすぐできる。
どちらが正解、という話ではありません。ただ、「相場を確認する」ほうは、辞めなくてもできる。ここが大きな違いです。
いちばんリスクが低いのは、両取りです。社内の昇給はコツコツ続けながら、外の値段だけ先に知っておく。そうすれば、いざというときの選択肢が、静かに増えていきます。
🧭 まず何をすればいい? 順番はこの3つ
いきなり転職活動を始める必要はありません。順番はこうです。
- 職務経歴をざっくり書き出す(これまでの仕事・成果・今の年収)
- ハイクラス向けのスカウトサービスに登録して、届くスカウトの年収レンジを見る
- 気になる求人やヘッドハンターがいれば、話だけ聞いてみる
ポイントは、1〜2までなら”ほぼノーリスク”だということ。辞める決断は、そのずっと先で大丈夫です。まずは現在地を確認する、それだけで十分です。
📊 相場を知るのに使えるサービス
「外の値段」を知るのに向いているのが、登録して待つスカウト型と、交渉まで任せられるエージェント型です。それぞれ役割が違うので、正直な注意点つきで挙げておきますね。
- リクルートダイレクトスカウト:登録無料で、登録時の審査もなし。まず相場を知りたい人の入口に向いています。ハイクラス求人が中心です
- ビズリーチ:ハイクラス特化のスカウト型。一部の機能は有料プランが必要ですが、無料のままでも企業からの「プラチナスカウト」の中身は確認できます。市場価値を測るだけなら、まずは無料で十分ですね
- doda X:無料で、スカウトを待ちながら求人紹介も受けられるバランス型
- JACリクルートメント:担当者がつくエージェント型。外資・グローバル企業に強く、書類添削から面接対策、年収交渉まで任せられます。「自分で年収交渉するのは苦手」という人に、いちばん相性がいいタイプです
この中でも、相場の確認と年収交渉まで一気に進めたい人には、JACリクルートメントが動きやすいと思います。特徴をまとめておきますね。
※求人数・非公開求人の割合は時期により変動します。2026年9月時点の公開情報をもとに記載。
👉 JACリクルートメントの評判・特徴を、無料でどこまで使えるかまで詳しく見る
スカウト型とエージェント型の使い分けをもう少し知りたい人は、ハイクラス転職エージェントと普通の転職サイトの違いもあわせてどうぞ。
相場の確認が向いているのは、こんな人です。
- ✅ 転職するかは未定でも、自分の相場だけは知っておきたい
- ✅ 忙しくて、自分で求人を探す時間がない
- ✅ 何年も、外からの評価を受けていない
逆に、こういう人は今すぐ動かなくても大丈夫です。
- 最近しっかりキャリアの棚卸しをしたばかり
- 近いうちに昇進や希望の異動が決まっている
⚠️ 登録するときに、知っておきたいこと
登録すると、最初はスカウトがそれなりに届きます。全部に返信する必要はないので、気になったものだけ見れば十分です。今の会社に知られたくない場合は、会社名を「非公開」に設定できるサービスを選んでおくと安心ですね。
そして、いちばん大事なこと。「無料だから登録する」で終わらせないことです。登録したら、届いたスカウトの年収レンジ・職種・求められている経験を必ずチェックしてください。そこに、今の会社では見えなかった”あなたの本当の値段”が映っています。
📌 まとめ
最後に、大事なところだけもう一度。
- 社内の昇給は、好条件の年でも年5%前後、平時は2〜3%。積み上げには時間がかかる
- 年収が伸びにくいのは、努力不足ではなく給料が決まる”仕組み”の側に理由があることが多い
- 転職で年収が上がった人の約7割は「1割以上」アップしている(厚労省・令和6年 雇用動向調査)
- 上がるのは約4割。だからこそ、下振れを避けるために”相場の確認”を先にやっておく
- 辞めずに「相場を確認する」のが、いちばん速くて安全な年収アップの近道
年収が上がらないのは、あなたの頑張りが足りないからではありません。その頑張りに、まだ”外の値段”がついていないだけ。値段のつけ直しは、辞めなくても、今日から始められます。
💬 よくある質問
転職すれば、必ず年収は上がりますか?
いいえ。公的データでも、上がった人は約4割で、横ばいや減少もあります。ただ、下がるケースの多くは”相場を確認せずに動いた”パターンです。いきなり辞めるのではなく、まずスカウトで自分の相場を確認してから判断すれば、下振れはかなり避けられます。
登録したら、転職しないといけませんか?
いいえ。登録=転職ではありません。届くスカウトの年収レンジを見て、自分の相場を知るだけでもOKです。動くかどうかは、その数字を見てから決めて大丈夫です。
昇給を待つのと、転職と、どちらが得ですか?
どちらか一方ではなく、両取りがいちばんリスクの低い進め方です。社内の昇給はそのまま続けつつ、外の相場だけ先に確認しておく。昇給が年2〜3%のペースなのに対し、転職で上がった人は一度で1割以上動いているので、「速さ」で見ると転職側に分があります。ただし全員が上がるわけではないので、確認してから選ぶのが安全です。
年収交渉が苦手でも大丈夫ですか?
大丈夫です。JACリクルートメントのようなエージェント型なら、担当者が年収交渉まで代わりに進めてくれます。自分で切り出すのが苦手な人ほど、エージェント経由が向いています。
40代からでも、年収を上げる転職はできますか?
できます。40代以降は、経験と実績そのものが武器になります。大切なのは年齢よりも、「その経験を他社でどう活かせるか」を言葉にできること。まずはスカウトを受け取って、どんな企業がどのくらいの条件で声をかけてくるかを見てみると、自分の立ち位置がクリアになりますよ。
今の会社に、登録がバレませんか?
多くのスカウトサービスには、特定の企業に自分の情報を見せない「ブロック設定」や、勤務先を非公開にできる機能があります。登録時にそこを設定しておけば、今の会社に知られる心配はほぼありません。まずは設定を確認してから使い始めると安心です。
👣 次に取る行動
今日やることは、ひとつだけで大丈夫です。
ハイクラス向けのスカウトサービスに登録して、自分にどんな年収のスカウトが届くかを見てみる。
転職するかどうかは、その数字を見てから、ゆっくり決めれば大丈夫。まずは、今の自分の”値段”を知るところから始めてみませんか。


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